米ザビエル大学ルイジアナ校は、今月に行われる卒業式で予定していたトーマスグリーンフィールド国連大使のスピーチの中止を決めた。パレスチナ自治区ガザ地区の停戦を求める学生らから反対が強まったためという。同氏の卒業式への招待を取り消した大学は米バーモント大に続き2校目。米メディアが報じた。
米国では4月半ばから各地の大学で反戦デモが拡大した。ザビエル大学では今月5日に講演者を発表すると、学生らから「国連大使として(パレスチナでの)組織的抑圧の継続を許した」などとする反対署名が3日間で1700筆以上集まった。米CBSテレビによると、学長は学生や教員に対し「大多数の学生が、混乱なく卒業式を楽しむことを望んでいる」と説明し、大使側とも協議した上で中止を決めたという。
国連安全保障理事会では、ガザの停戦を求める決議案が、常任理事国である米国の拒否権行使によって繰り返し否決されてきた。今年3月の会合では、イスラム教の断食月であるラマダン期間中の即時停戦を求める決議が採択されたが、トーマスグリーンフィールド氏は「拘束力がない」と主張した。
米国の大学の卒業式では著名な経営者や政府高官、作家らが来賓として登壇し、卒業生に向けてスピーチをすることが通例となっている。【ニューヨーク八田浩輔】
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