記者会見する国連のグテレス事務総長=米ニューヨークで2023年9月13日、八田浩輔撮影

 国連のグテレス事務総長は7日、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファへの攻撃は「戦略的な過ちであり、政治的な惨事であり、人道的な悪夢である」と述べた。ニューヨークの国連本部で記者団に語った。

 ガザのイスラム組織ハマスと戦うイスラエル軍は、6日夜からラファ東部で空爆や地上部隊による「限定的な」軍事作戦を展開し、エジプトとの境界にあるラファ検問所を制圧したと発表した。ラファ検問所は支援物資の搬入や負傷者の搬出において重要な拠点となっている。グテレス氏は、ラファをガザにおける人道活動の「中核」と呼び、「攻撃は飢饉(ききん)が迫る人道的な窮状にある人々を支援する私たちの努力を覆す」と主張。検問所の制圧解除を呼びかけた。

 また、グテレス氏は、イスラエルとハマスによる人質の解放と停戦をめぐる交渉は「世界が決して逃してはならない重要な機会だ」とし、すべての当事者に「政治的な勇気を示し、今すぐ合意を確保するための努力を惜しまないよう」重ねて訴えた。【ニューヨーク八田浩輔】

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