中国・青島の港に積まれたコンテナ(新華社=共同)

中国税関総署が12日発表した3月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比7・5%減の2796億8千万ドル(約43兆円)だった。前年実績を割り込むのは昨年10月以来、5カ月ぶり。昨年3月は厳格な「ゼロコロナ」政策の終了に伴う新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が落ち着いたことなどから2桁の伸びを記録しており、その反動による影響があったとみられる。

輸入も1・9%減の2211億3千万ドルにとどまった。輸出と輸入を合わせた貿易総額は5・1%減だった。

1~3月の累計では輸出と輸入がともに1・5%増だった。輸出の品目別では自動車が18・2%増と2桁の伸びで、電気自動車(EV)の輸出が好調とみられる。中国のEVが過剰生産能力を抱えていると米国や欧州が懸念を示しており、輸出の好調が摩擦をもたらす可能性もある。

国・地域別のデータを見ると、貿易総額が米国とは4%減、欧州連合(EU)とは6・5%減、日本とは7・5%減だった。ウクライナ侵略後も密接な経済関係を続けるロシアとは5・2%増だった。2桁の伸びだった昨年と比べると落ち着いている。

税関総署の王令浚副署長は12日の記者会見で「現在、国際環境には変化が生じており、世界経済は多くの厳しい難題に直面している」と述べ、世界経済の先行きに警戒感を示した。

(三塚聖平)

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