米連邦議会のジョンソン下院議長(共和党)は12日、南部フロリダ州のトランプ前大統領(同)の自宅を訪れ、11月の大統領選への対応を協議した。ジョンソン氏は予算審議を巡って民主党と妥協したことで、トランプ派のグリーン下院議員(同)から解任動議を突きつけられており、実質的な共和党のリーダーであるトランプ氏に泣きついた形だ。
トランプ氏は協議後の記者会見で「私は議長とも、マージョリー(グリーン氏)とも非常によい関係だ。(民主党との議席差が小さく)誰が議長であっても難しい状況だが、議長は非常によくやっており、マージョリーも理解していると思う」とジョンソン氏を擁護した。
ただ、グリーン氏は、ジョンソン氏がロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援法案の成立に動いた場合、既に提出している解任動議の採決を求める姿勢を変えていない。トランプ氏は12日の会見で、ウクライナ支援は「ギフトではなく、ローンにするべきだ」との考えを示したが、グリーン氏が「ローン案」で譲歩するかどうかは不透明だ。
一方、12日の協議では、今後2カ月間に下院で選挙の公正性に関する公聴会を集中的に開催する方針を確認した。トランプ氏は、自身が落選した2020年の大統領選は「不正な選挙だった」と根拠なく訴え続けており、民主党のバイデン大統領との再対決を前に「不正」に焦点を当てる狙いがあるとみられる。【ワシントン秋山信一】
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