米国のトランプ次期大統領が2016年の大統領選を前に、不倫相手への口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判で、ニューヨーク州の裁判所は16日、当時の行為に関する大統領の「免責特権」を認めない判断を示した。評決の維持や量刑言い渡しの有無を含む今後の手続きについては審理を続ける。
裁判でトランプ氏は5月末、大統領経験者として初めて有罪評決を受けた。その後、連邦最高裁が別の事件で「大統領在任中の公的な行為は原則的に免責される」と判断。11月の大統領選で勝利したこともふまえ、トランプ氏側は評決の無効を申し立てている。
裁判所は、口止め料の支払いに伴う業務記録の不正な会計処理は「個人的な行為」で公務とは関係ないとし、免責特権を理由に有罪評決を覆すべきではないとの判断を示した。トランプ氏の報道担当者は「最高裁の決定に真っ向から違反するものだ」と批判した。
大統領選の結果を受け、検察側は29年1月にトランプ氏の大統領任期が終わるまで裁判を凍結するか、有罪評決を維持したまま量刑言い渡しをせずに裁判を終える案などを提示している。【ニューヨーク八田浩輔】
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