サイクロンの被害を受け路上に散乱したがれき=15日、インド洋のフランス海外県マヨット(John Balloz提供・ロイター=共同)

 アフリカ東部のインド洋に浮かぶフランス海外県マヨットを14日に強力なサイクロンが直撃し、県知事は15日、死者が少なくとも数百人に上る可能性があると述べた。AP通信などが伝えた。家屋の倒壊などが広範囲で発生しており、状況の把握が難航している。

サイクロンで甚大な被害を受けたフランス海外県マヨット=15日(Gendarmerie Nationale提供・AP=共同)

 気象の専門家からは、気候変動の影響で近年はサイクロンが強大化する傾向にあるとの指摘が出ている。APなどによると、マヨットを襲ったサイクロンとしては過去90年以上で最も強力で、最大風速が毎時220キロ以上の暴風が吹き荒れた。近隣の島しょ国コモロから来た不法移民らが住む仮設の住居が多数破壊され、被害が拡大したとみられる。

マヨット(フランス海外県)=共同

 県内では多くの電柱や木々がなぎ倒され、病院も影響を受けた。空港の管制塔が損傷し、軍用機しか離着陸できない状態という。マクロン大統領は14日、X(旧ツイッター)に「事態は急を要する」と投稿し、支援に全力を挙げる姿勢を強調した。政府は近く兵士や消防士計約160人を本土から増派し、対応を本格化させる。(共同)

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