シリアの首都ダマスカスのモスク(イスラム教礼拝所)で演説するシリア解放機構のジャウラニ指導者=8日(AP=共同)

 シリアのアサド政権を崩壊させた旧反体制派を主導する過激派「シリア解放機構」のジャウラニ指導者は、現時点では国の再建と安定が優先だとし、シリア領内に展開するイスラエルとの戦闘に否定的な考えを示した。戦闘に突入すれば、さらなるシリアの破壊につながりかねないと訴えた。中東メディアが14日報じた。

 イスラエル軍はアサド政権の武器が旧反体制派に渡るのを防ぐためだとして、シリア領内や占領地ゴラン高原で地上作戦を展開。ジャウラニ氏はイスラエルを批判する一方、シリアは長く続いた内戦によって疲弊していると説明した。

 ジャウラニ氏はまた、地域でのイランの影響力拡大はシリアや周辺国を危険にさらすことになりかねず「国内のイラン勢力を一掃できた」と語った。ロシアについては、共通の利益になる方法で関係を再検討する機会を与えたと説明した。イランとロシアはアサド政権の後ろ盾だった。

 一方、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの指導者カセム師はテレビ演説で、シリアを通じた武器入手経路を失ったと認めた。(共同)

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