アサド前大統領の弟で軍司令官だったマーヘル・アサド氏の部隊の司令部に散乱した通信傍受記録関連とみられる書類=シリア・ダマスカスで2024年12月14日、和田大典撮影
写真一覧

 シリアで長年、独裁体制を敷いていたアサド前大統領の弟、マーヘル・アサド氏は、政府軍の司令官として拷問や処刑などに携わってきたとされる。首都ダマスカス南部にあるマーヘル氏の部隊の司令部を14日に訪ねると、中には多くの書類が残され、慌ただしく撤退した様子がうかがえた。

 庁舎に入ると、執務室の床には割れたワインボトルやウイスキーの空き箱が散らばっていた。貴金属が入っていたとみられる小袋も大量に落ちている。「おそらく賄賂としてもらっていたのではないか」。同行した地元記者がつぶやいた。

 執務室の机には、通信傍受の記録とみられる紙もあり、男女がメッセージアプリで交わした会話が印字されていた。上階にはマーヘル氏の若いころの写真を収めたアルバムもあった。

 反体制派の戦闘員によると、政府軍は8日、ここで反体制派と数時間にわたり交戦したが、その後は撤退した。マーヘル氏は当時、司令部にはいなかったという。【ダマスカス金子淳】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。