韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾(だんがい)を求める議案は14日午後、可決されました。可決には少なくとも与党の議員8人の賛成が必要でしたが、12人が賛成に回ったとみられます。
■尹大統領 弾劾訴追案「可決」
午後4時から始まった2回目の弾劾訴追案の採決。国会前では14日も多くの人が尹大統領の弾劾を求めて声を上げていました。
弾劾に賛成の人
「今回は絶対に可決してほしいです」
一方、尹大統領支持者たちもソウルで集会を行っていました。プラカードには「弾劾反対」「イ・ジェミョン逮捕」と書かれています。
与党内でもギリギリの調整が続けられました。国会議員200人以上が賛成すれば可決される弾劾案。与党側から少なくても8人の賛成票が必要となるなか、すでに7人の与党議員が賛成票を投じると表明していて、あと1人の造反議員が出るのかが焦点となっていました。
後押ししたのは世論です。13日に発表された最新の世論調査では尹大統領の支持率は就任後最低を更新し11%となりました。また、弾劾への賛成は75%に上っています。
一方12日、国民に向け談話を発表した尹大統領は強気の姿勢です。
尹錫悦大統領(63)
「巨大野党は国民が選んだ大統領を認めず、退陣や弾劾の扇動を止めませんでした。巨大野党の議会独立に対抗し、大韓民国の自由主義と憲政秩序を守ろうとしたのです。私を弾劾しようが、捜査しようがこれに堂々と立ち向かいます」
「非常戒厳」を宣言したのは国家の機能を正常化させるためだったと正当性を主張し、自身を退陣させようとする勢力とは戦うと宣言しました。
こうしたなか、韓国で注目されているのが12日に公開された1本のドキュメンタリー映画です。
大統領夫人・金建希(キム・ゴンヒ)氏を題材にした映画「ファーストレディー」。論文の盗用や私文書偽造、株価操作など様々な疑惑について関係者の証言を交えて描かれています。
鑑賞した人は…。
鑑賞した人
「こんな現実あまりに悲しいです。嘘をついて、一国の大統領夫人が国民を愚弄(ぐろう)しています。国民にそんなことしちゃいけません」
そして14日午後、2度目となった弾劾訴追案の採決は賛成票が204票で可決されました。
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