韓国の警察は11日、「非常戒厳」を巡る捜査で大統領府の捜索に乗り出しました。捜索令状には容疑者として尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の名前が記されていました。
■韓国とソウルの警察庁長官を拘束
一部資料の任意提出 この記事の写真箱を抱えた捜査員が入っていくのは、国家の中枢である大統領府です。大統領への初の強制捜査が本格的に動き始めました。
しかし、大統領府側は軍事上の秘密などを理由に家宅捜索を拒否し、一部資料の任意提出のみにとどまりました。
混乱する韓国で捜査が本格化するなか、素早い動きをみせた警察と検察。韓国警察は11日、大統領府のほか国会警備隊、警察庁の捜査に着手しました。
韓国とソウルの警察庁長官を拘束警察の捜査本部は11日未明、自らの組織のトップである警察庁長官とソウル警察の長官2人を内乱の疑いで拘束しました。
コリア・レポート編集長 辺真一氏「まさに警察のトップが部下に逮捕されるという、韓国史上異例の出来事が起きたということですね」
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■検察による逮捕も“異例の事態”■検察による逮捕も“異例の事態”
検察による逮捕は“異例の事態”一方、検察も捜査に積極的です。
韓国検察「内乱の重要な任務を担うとともに、職権を乱用しました」
10日、尹大統領と内乱を共謀した疑いで「非常戒厳」を進言した金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相を検察が逮捕しました。
辺氏「金前国防相を職権乱用で身柄確保した、検察が。本来、警察がやろうと思ってた先を越された」
金前国防相は逮捕直前に自殺を図りましたが、命に別状はないということです。本来、警察が一次的な捜査を担当し、検察が起訴権限を持っているため、検察による逮捕は“異例の事態”です。
専門家は、今回の逮捕には検察の焦りが現れていると指摘します。
検察の焦りが現れている 辺氏「野党政権になると、今度こそ検察が解体される危機感がある」
最大野党「共に民主党」は、以前から検察を「独裁政権の手先だ」として批判的にみていて、今年7月には検察庁を廃止する法案を打ち出しています。
尹大統領は元検事総長また、被疑者である尹大統領が、元検事総長であることも影響しています。
辺氏「今の国民も野党も、検察より警察の特別捜査本部、こちらに期待しているのが実情。検察は尹政権にべったりという汚名を返上するためにも。(尹政権は)死んだ権力ですから、ここぞとばかり検察はできるんですね」 再び弾劾訴追案を発議
最大野党は12日に再び弾劾(だんがい)訴追案を発議し、14日に採決する方針です。
(「グッド!モーニング」2024年12月12日放送分より)
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