アサド政権が崩壊したシリアで、反体制派を率いる「ハヤート・タハリール・シャム」(HTS)のジャウラニ指導者は11日、ロイター通信に対して、旧体制の治安部隊を解体する方針を示した。アサド政権は情報機関などを使い、国民を監視し弾圧してきた。HTS中心の暫定政権が強権政治と決別しつつ、治安維持体制を整えられるかも焦点となりそうだ。
ジャウラニ氏はまた、アサド政権時代の刑務所で拷問や殺害に関わった者には恩赦を与えないとも述べた。ダマスカス郊外のサイドナヤ刑務所では、内戦が始まった2011年から18年までの間、拷問などで3万人以上が処刑されたと推定され、「正義を実現できるように、逃亡した人たちを引き渡すように各国に求めていく」とした。
一方、米国から支援を受けるクルド人を主体とする反体制派「シリア民主軍」とトルコからの支援を受ける「シリア国民軍」は11日、米国の仲介で、シリア北部のマンビジュで停戦に合意したと明らかにした。トルコは、クルド人の武装組織と敵対しており、アサド政権崩壊後、シリア国民軍がマンビジュに攻め込んでいた。【エルサレム松岡大地】
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