アイスランド政府が12月に入り、捕鯨会社2社に今後5年間にわたって捕鯨を許可した決定が波紋を広げている。アイスランド国営放送などが伝えた。
同国では11月30日に総選挙が実施され、捕鯨に反対する中道左派の野党・社会民主同盟が勝利し、連立協議が続いている。これに対し、敗れた中道右派の与党・独立党のベネディクトソン首相は12月5日、退陣前に「駆け込み」で2029年までの捕鯨を認めた。
アイスランドは日本やノルウェーと並び、商業捕鯨を行う数少ない国の一つ。許可は通常5年おきに更新されるが、今回の決定により、当面は年間でナガスクジラ209頭、ミンククジラ217頭の計426頭までの捕獲が可能になる。
この決定に対し、反捕鯨を訴える動物愛護団体などは「退任する首相には決定権がない」と訴え、決定取り消しを求める署名活動を始めている。【ロンドン篠田航一】
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