混乱が続く韓国で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する2度目の弾劾(だんがい)訴追案が間もなく提出される見通しです。
■特殊部隊の団長…金龍顕前国防相に「利用された」と訴え
韓国メディアによると、2度目の弾劾訴追案の決議は3日後の午後5時に行われます。与党「国民の力」は大統領に退陣することを求めていますが、大統領府からは、こういう返答があったといいます。
韓国大統領府からの返答(朝鮮日報から) この記事の写真 韓国大統領府(朝鮮日報から)「尹大統領は下野するより、弾劾訴追を受け入れ、憲法裁判所の裁判で積極的に対応するという考えだ」
大統領の弾劾には、憲法裁判所判事9人のうち6人の賛成が必要です。ただ現在、3人が欠員で6人体制。韓国メディアによると、大統領府は6人全員が賛成に回る可能性は低いと見ているようです。
1回目の弾劾決議は、与党議員の大半が退席し、採決に必要な票に達しませんでした。ただ大統領が与党の退陣要求を飲まないなか、一部の与党議員が弾劾賛成に回ることを示唆しています。
金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相岐路に立つ尹錫悦大統領に戒厳令を出すことを提言したとされる金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相。10日夜遅く、内乱などの疑いで逮捕されたのですが…。
チョン チョン レ委員長 チョン チョン レ委員長「金龍顕前国防長官が拘置所で自殺を試みたという情報がある。それは事実ですか」 法務省 矯正本部長 法務省 矯正本部長
「今朝、そのように報告を受けた」
金龍顕前国防相が自殺未遂をしていたというのです。時刻は10日午後11時52分ごろ、逮捕状が出される直前だったといいます。
拘置所のトイレで自殺を図ったものの、職員に発見され、未遂で終わったということです。
法務省 矯正本部長「健康に問題はないと報告を受けた」 法務省 矯正本部長「現在、保護室に収容されており、健康に問題はないと報告を受けた」
当時、国会議事堂周辺に投入された部隊には、対テロ作戦や要人暗殺に特化した特殊部隊もあります。報道陣の前に姿を見せた、その特殊部隊の団長。部隊は金龍顕前国防相に「利用された」と訴えました。
部隊は金龍顕前国防相に「利用された」と訴えた 707 特殊任務団団長 キム・ヒョンテ大佐「隊員は金龍顕前国防相に利用された、気の毒な被害者です。隊員に罪はありません。あるとすれば無能な指揮官である私の命令に従ったことです」
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■警察トップも拘束■警察トップも拘束
戒厳令を巡り逮捕されたのは、国防のトップだけではありません。
韓国警察のトップ・趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官車から降り、警察署に入って行くのは、韓国警察のトップ・趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官。警察の捜査本部は11日未明、自らの上司に当たる、その長官、そして首都・ソウルの警察トップ2人をやはり内乱の疑いで拘束しました。
2人は戒厳令が出された後、警察官を動員し、国会議事堂の封鎖を指示したとされています。
国防、そして警察のトップが次々と逮捕・拘束されていますが、やはり本丸は尹錫悦大統領。韓国の警察は11日に、大統領府などの家宅捜索に乗り出しました。
労働新聞(11日付)ちなみに戒厳令から、およそ1週間。北朝鮮のメディアが戒厳令に初めて言及しました。
労働新聞(11日付)「独裁の銃刀を国民にちゅうちょなく突きつける衝撃的な事件が起きた」 この記事の写真を見る
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