【ワシントン=坂本一之】バイデン米大統領は28日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、イスラム原理主義組織ハマスとイスラエル軍のパレスチナ自治区ガザにおける戦闘休止や人質解放に向けた交渉などについて協議した。米メディアは、イスラエルが人質解放後に恒久停戦を議論する用意があるとハマス側に提案していると報じている。
一方、ロイター通信によると、ハマスの代表団が29日、交渉の仲介役であるエジプトの首都カイロに到着した。交渉の行方が注目されている。
バイデン氏はネタニヤフ氏との電話会談で、イランによるイスラエルへの大規模攻撃を踏まえ、「イスラエル防衛への揺るぎない関与」を改めて伝達。その上で両首脳は人質解放を巡る間接交渉への対応や、米国が重視するガザの人道支援について協議した。
バイデン氏は、懸念を示してきたイスラエル軍によるガザ最南端の人口密集地、ラファでの地上作戦の実施に関し「明確な立場」を改めて伝えたという。
ブリンケン米国務長官は29日、サウジアラビアで湾岸諸国の外相らとガザ情勢を巡り意見交換した。ヨルダンやイスラエルも訪問する予定だ。
カービー米大統領補佐官は米ABCテレビのインタビューで、ブリンケン氏の中東訪問を踏まえ、6週間の休戦が永続的な戦闘停止につながることに期待感を示した。
こうした中、イスラエル軍は28~29日、ラファの住宅などを空爆し少なくとも22人が死亡した。AP通信が伝えた。
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