ソラが作成した「砂漠を歩くマンモス」の動画=2024年12月9日、オープンAIの公開した動画より

 対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を手掛けるオープンAIは9日、文章による短い指示でプロが作るような高品質の動画を作成するAIモデル「Sora(ソラ)」を一般公開したと発表した。有料版チャットGPTの利用者を対象に、日米などで利用できる。

 サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)らが実演動画を公開した。「砂漠を歩くマンモス」と指示を打ち込むと、巨大なマンモスの群れが広大な砂漠を砂ぼこりをあげながら移動する動画が簡単に作成された。晴天の下で、影の動きもリアルに表現されていた。

 さらに動画作成後、「マンモスをロボットに置き換える」と指示を加えると、マンモスが金属製の4本足のロボットに変更された動画が作成された。

 動画の長さは最長で20秒。違う角度からの動画など複数のバージョンを同時に見ることができる。

 ソラを使えるのは、月額20ドル(約3000円)または200ドルを支払うチャットGPT有料版の利用者。動画には「電子透かし」と呼ばれる技術を採用し、AIで作ったと識別するようにした。性的な虚偽動画など悪質なコンテンツの作成指示はブロックする。18歳未満の利用も禁止にする。

 オープンAIは2月にソラを発表。リスク管理の専門家やアーティストなどに使ってもらい改善を重ねていた。

 一般の人がプロのような高品質な動画を作成できるようになるが、企業の商品コマーシャルなど短い動画制作で働く人たちの雇用を奪う可能性が指摘されている。【ワシントン大久保渉】

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