イスラエル軍は8日、占領地ゴラン高原の非武装地帯(DMZ)を越えてシリア側に侵入し、ヘルモン山の山頂などを制圧した。米ニューヨーク・タイムズ紙によると、イスラエル軍のシリア領内への明白な侵入は、1973年の第4次中東戦争以降初めて。イスラエルのサール外相は9日「限定的で一時的なものだ」と主張した。
ヘルモン山はシリア側を見渡せる軍事的要衝で、イスラエルは過激派組織の動きを監視するためとしている。
ただ、シリアのアサド政権の崩壊の混乱に乗じた占領地拡大の動きの可能性もあり、サウジアラビア外務省は声明で「シリアの安全保障の回復の機会を台無しにするものだ」と非難した。
一方、イスラエル軍は反体制派に武器などが渡るのを防ぐとして、シリアの軍事基地などを空爆している。サール氏は9日、軍がシリアの化学兵器や長距離ロケット弾の備蓄が疑われる場所を標的にしたと説明した。空爆は今後、数日は続く見通しという。【エルサレム松岡大地】
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