弾劾訴追案の採決に欠席した与党議員105人の顔写真と氏名を掲載した9日付の進歩系紙「ハンギョレ」=ソウル市で2024年12月9日、福岡静哉撮影

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案が廃案となったことについて、韓国の進歩系の2紙は9日付朝刊1面トップで、7日に国会で行われた採決に欠席した保守系の与党「国民の力」の議員105人の顔写真と氏名を掲載した。

 進歩系の最大野党「共に民主党」は14日に2度目の弾劾訴追案を採決する方針。野党勢力は、与党に対する圧力を強めている。

 顔写真を掲載したのは「ハンギョレ」と「京郷(キョンヒャン)新聞」。ハンギョレは「採決に不参加だった105人の名前と顔を記録に残す」と記した。京郷は105人の顔写真、氏名に加え選挙区も記し、尹氏の弾劾訴追を「妨害した」と批判した。

 弾劾訴追案は、尹氏による「非常戒厳」の宣布を違憲として野党が提出。可決の条件は、国会議員300人のうち3分の2に当たる200人以上の賛成だった。野党と無所属議員は計192人で、可決には与党議員108人のうち8人以上が賛成する必要があった。

 与党は「反対」の方針を決め、大半が採決を欠席。3人だけが投票した。投票数が200票に満たず、弾劾案は廃案となった。【ソウル福岡静哉】

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