内戦が続くシリアの反体制派は8日未明、首都ダマスカス市内に進攻した。ロイター通信によると、複数の軍関係者はアサド大統領はすでにシリアから国外へ亡命したと明らかにした。
反体制派の幹部は声明で「ダマスカスはアサドから解放された」と宣言した。事実であれば、2011年に始まった内戦は、11月下旬に反体制派が大規模攻勢を仕掛けてからわずか半月あまりで、アサド政権崩壊という重大局面を迎えたことになる。
ロイターなどによると、反体制派は11月27日に大規模攻勢を開始。北部アレッポや中部ホムスなどの主要都市を次々と制圧し、今月8日未明にはダマスカス市内に進攻した。
政府軍は各地で大きな交戦はせず、ダマスカスなどに撤退していたが、首都でも目立った抵抗はないまま、反体制派が制圧した模様だ。
反体制派は米国がテロ組織に指定する「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)が主導。アレッポ制圧を皮切りに攻勢を強めると、米国の支援を受けるクルド人組織など各地の反体制派勢力も動きを活発化させた。ダマスカスでは7日、郊外で反政府デモが起きるなど、住民の多くも反アサドの動きを強めていた。【カイロ金子淳】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。