米国のトランプ次期大統領が不倫相手の口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判をめぐり、トランプ氏の弁護団は2日、バイデン大統領が次男ハンター氏に恩赦を与えたことなどを引き合いに有罪評決の無効を訴えた。
バイデン氏は恩赦を発表した1日の声明で、次男は「選択的かつ不公平に起訴」されたなどと言及。家族の利益のための権力行使に対し、身内の民主党からも批判が出ていた。
トランプ氏の弁護団はニューヨーク州の裁判所に提出した書面で、バイデン氏の声明を引用しながら検察の「政治的な動機」に基づく事件だと改めて主張。大統領在任中の公的な行為は原則的に免責されるとする連邦最高裁の判断にも反すると指摘した。
事件をめぐり、トランプ氏は5月末に大統領経験者として初めて有罪評決を受けた。しかし、11月の大統領選でトランプ氏が勝利したことを受け、裁判所は量刑言い渡し延期を決めた。
担当判事は検察側に対し、今月9日までに申し立てに書面で反論するよう求めている。これまで検察側は2029年のトランプ氏の任期終了まで裁判を凍結する案を提示する一方、起訴の取り下げには反対している。【ニューヨーク八田浩輔】
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