いま、ソウルの国会議事堂の前には早瀬川記者がいます。
Q.尹大統領はなぜ今回「非常戒厳」を宣言したのでしょうか。
尹大統領は理由について、野党が来年度の予算を大幅に削減しようとしたり、検事や閣僚の弾劾を続けたりして「国政がまひしている」と説明しました。
しかし、韓国メディアは、尹大統領の支持率が10%後半まで落ち込んだほか、大統領夫人の疑惑をめぐって政治的な追及が続いていたため、「これ以上失うものはない」という意識が反映されたのではないかとの見方を報じています。
また、韓国国防省の関係者によるとキム・ヨンヒョン国防相が「非常戒厳」の宣言を提言したということで、大統領府の主要な高官が状況を把握していなかったという報道も出ています。
Q.韓国国内での受け止めはどうでしょうか。
野党はもちろんのこと、韓国メディアも「非常戒厳」の宣言について、「国家の恥だと言わざるを得ない」と厳しく批判しています。一部の労働組合は、きょうから尹大統領が退陣するまで一斉ストライキを行うと宣言するなど反発を強めています。
宣言の後、国会議事堂前まで来た女性は「昔、軍事政権を見ていたので放っておくことはできない」と憤っていました。
韓国では軍事政権から民主化して今に至る歴史があるので、軍が国会議事堂に突入した今回の事態を否定的に見る人は少なくないように思えます。
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