イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘をめぐり、イスラエルとレバノンの両政府が停戦に合意しました。すでに停戦期間に入っていますが、合意が守られ、地域の緊張緩和に繋がるかが焦点です。

日本時間午前11時に発効したイスラエル政府とレバノン政府の停戦合意。朝を迎えたレバノン南部の都市には、避難していた市民が戻ってきていました。

去年10月から続いていたイスラエルとヒズボラの戦闘。

合意では、60日間の停戦期間中、イスラエル軍がレバノンから撤退する一方、ヒズボラは国境から30キロ離れたリタニ川より北に重火器を移し、代わりに正規のレバノン軍が展開します。

ネタニヤフ首相は停戦を支持する理由について「イランの脅威に焦点を当てるため」としたほか、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラム組織ハマスを「孤立無援にするため」だと説明しました。その上で…

イスラエル ネタニヤフ首相
「もし、ヒズボラが合意に違反して再軍備を試みるなら、我々は攻撃する。国境付近でテロ活動を再開しようとしても攻撃する。ロケットを発射したりトンネルを掘ったり、ミサイルを積んだトラックを持ち込んだりしても攻撃する」

交渉を仲介し、停戦案を示したアメリカのバイデン大統領は…

アメリカ バイデン大統領
「レバノンとイスラエルのリーダーの決断に拍手を送りたい。平和は可能だと思い出させてくれる」

一方、ヒズボラの後ろ盾となっているイランの外務省は、「イスラエルによる侵略の停止を歓迎する」との声明を発表しました。

イスラエルとヒズボラの戦闘では、レバノン側の死者は3800人を超え、イスラエル側でも100人以上が死亡しています。

停戦合意に両国の市民は…

ベイルート市民
「戦争が終わって欲しい。神に感謝します。家に戻ってまた学校に行きたい」

テルアビブ市民
「幸せです。停戦はいつでも良いことです。ガザでも停戦が実現すればもっといいですね」

アメリカ政府は今後、イスラエルとレバノン、国連による平和維持の枠組みに新たにアメリカとフランスが加わり、合意内容がきちんと守られるか監視していくとしています。

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