ロシア西部クルスク州の飛行場敷地内で発見された長射程ミサイル「ATACMS」のものとだという残骸。ウクライナ側が発射したとされる=11月26日公表、露国防省のテレグラムから・AP

 ロシア国防省は26日、ウクライナ軍が23、25の両日、越境攻撃を続ける露西部クルスク州を米国供与の長射程ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」で攻撃したと発表した。この兵器による露領内への攻撃は19日に初めて実施されたとみられ、それに続く形だ。

 露国防省は、ミサイルの残骸とされる写真も公開し、「報復措置を準備している」とウクライナ側に警告した。

 露国防省によると、23日には、州都クルスクから北西約40キロに位置する露軍の地対空ミサイル「S400」運用部隊の陣地にATACMS5発が撃ち込まれたという。3発は迎撃したが、2発は命中。レーダー施設が破損し、複数人が負傷した。

 25日には、州内の飛行場に8発が撃ち込まれ、7発を迎撃したが、1発は命中した。ミサイルの破片の落下で軍人2人が軽傷を負い、インフラ施設が軽微な損傷を受けたという。

 露国防省は、19日にもウクライナ軍のATACMSによる露領内への攻撃があったと発表していた。6発中5発を迎撃し、ミサイルの残骸が露西部ブリャンスク州の軍事施設に落ちたとしている。これが初の事例とされる。

 プーチン露政権はこの攻撃以降、核兵器の使用条件を緩和したり、最新式の中距離弾道ミサイルをウクライナに向けて発射したりするなど、威嚇を強めている。

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