26日、北京で会談したブリンケン米国務長官(左)と中国の王毅共産党政治局員兼外相(ロイター)

【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は26日、訪中したブリンケン米国務長官と北京の人民大会堂で会談した。中国外務省によると、習氏は「両国はライバルではなくパートナーであるべきで、傷つけ合うのではなく、成功を助け合うべきだ」と関係安定化を呼びかけた。

ブリンケン氏は同日、王毅共産党政治局員兼外相とも約5時間半にわたって会談した。中国がロシアの防衛産業に物資を送り、ウクライナ侵略を支えていることについて、ブリンケン氏は「深い懸念」を伝えたと記者会見で明らかにした。

双方は対話を継続することで一致し、人工知能(AI)に関する初の政府間協議を数週間以内に開催することで合意。ただ、台湾や経済をめぐる問題では主張をぶつけ合ったようだ。

中国外務省によれば、王氏は台湾問題を「第一の越えてはならないレッドライン」とし、「いかなる形でも『台湾独立』分裂勢力に誤ったシグナルを発してはならない」と述べた。5月に発足する台湾の頼清徳政権を支援しないようクギを刺す狙いとみられる。

王氏は、米軍が共同演習の一環でフィリピンに中距離ミサイル発射装置を展開したことを踏まえ、配備の撤回を求めた。米国が懸念する中国の過剰生産能力の問題については「偽りの事柄を騒ぎ立てるのを止めるべきだ」と反発した。

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