米大統領選で対決する民主党のハリス副大統領(右)と共和党のトランプ前大統領=AP

 11月5日の米大統領選の投票日まで26日で残り10日。政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」による各種世論調査の集計(25日正午時点)で、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の全米支持率が48・5%で並び、史上まれに見る大接戦となっている。激戦7州ではトランプ氏が僅差でリードしているが、いずれも誤差の範囲内で、最終盤の攻防は激しさを増している。

 RCPによると、全米での支持率はハリス氏が8月上旬に逆転してから一貫してややリードを保ってきたが、10月に入って差が縮まった。激戦7州ではトランプ氏が僅差で優位だが、このうち5州では差が1ポイント未満という大接戦だ。

 投票日の11日前の時点で比較すると、トランプ氏は2016年大統領選(当選)で4・6ポイント差、20年大統領選(落選)では8ポイント差で劣勢だったが、本番では世論調査より数字を伸ばした経緯がある。こうした点も加味すると、今回の方が選挙戦は順調だとの見方がある。しかし、激戦州の行方次第で勝敗はどちらに転ぶか分からない状況だ。

 20~23日の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の世論調査でも、2人の支持率は48%で並んだ。環境政党「緑の党」のスタイン氏ら他の候補を含めると、トランプ氏(47%)がハリス氏(46%)をややリードした。

 男性ではトランプ氏(55%)が14ポイント差、女性はハリス氏(54%)が12ポイント差でそれぞれリード。人種別では白人はトランプ氏、黒人や中南米系はハリス氏が優位だが、中南米系の支持率の差は10ポイントで、16年や20年に比べて民主党候補の優位性は薄れている。

 最も重視する争点は、経済(27%)、人工妊娠中絶(15%)、移民(15%)、民主主義や政治腐敗(7%)、候補の資質(6%)――が上位を占めた。トランプ氏の支持者は経済や移民政策を重視する層が多い。一方、中絶は女性や若い世代の関心が高く、ハリス氏の支持につながっている。【ワシントン秋山信一】

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