台湾の憲法裁判所にあたる憲法法廷は25日、6月に改正された立法院(国会に相当)の権限に関連する法律について、改正部分の多くが三権分立に違反するなどとして違憲判決を言い渡した。立法院で過半数を握る野党側が頼清徳政権をけん制するために立法院の権限を強化させる改正を主導したのに対し、政権側が違憲審査を請求していた。
1月の立法委員(国会議員)選挙の結果、頼氏が主席(党首)を務める民進党は少数与党に転落。議会第1党の野党・国民党は第三勢力の台湾民衆党と連携して対抗し、政府が提出した予算案などの審議が難航している。違憲判断で与野党対立がさらに激化する恐れがある。
判決では総統に年1回の情勢報告を求めた部分について、憲法上の拘束力はないと判断。総統と立法委員はそれぞれ人民に対して責任を負うもので、相互に憲法上の従属関係はないと説明した。また立法院で虚偽の答弁をした公務員に対して懲役刑や罰金を科すとした改正刑法の条文についても違憲とした。
関連法は5月に野党側の賛成多数で可決後、行政院(内閣)の請求で再審議されたが6月に再び可決、施行された。その後、行政院や頼氏、民進党議員団が違憲審査を申し立てた。
野党側は激しく反発している。国民党議員団は記者会見し、「司法の独立はすでに死んだ。きょうは国恥の日だ」と主張した。【台北・林哲平】
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