飲酒運転が大きな社会問題となっている韓国では、きょうから飲酒運転の一部の違反者に対し、呼気の検査をしないと車のエンジンがかからない「アルコール・インターロック」の装着が義務化されました。

韓国では今年、有名人の飲酒運転が問題となりました。

BTS SUGAさん
「誠実に調査に臨みます。もう一度、お詫び申し上げます」

人気音楽グループ「BTS」のSUGAさんがソウル市内で酒を飲んだ後、電動スクーターに乗ったとして、裁判所から罰金およそ160万円の略式命令を受けました。

さらに、こんな事件も…

歌手 キム・ホジュンさん
「誠に申し訳ございません」

韓国の人気歌手キム・ホジュンさんが飲酒後に当て逃げ事件を起こし、マネージャーを身代わりとして自首させた疑惑が浮上。キムさんは当初、飲酒運転を否定していましたが、事実を認め、謝罪しました。

この事件をきっかけに、韓国の国会では飲酒運転をごまかす行為について厳罰化する法改正案の作成が始まりました。

ソウル市民は…

ソウル市民
「多くの人の前に出るので、先に立って模範となる姿を見せないといけないのに」
「飲酒運転自体が違法なのに、公の人たちがやるのはもっと良くないのではと思う」

こうした中、韓国ではきょう、改正道路交通法が施行。呼気の検査をしないと車のエンジンがかからない「アルコール・インターロック」の装着が一部義務化されました。

飲酒運転で違反してから5年以内に再び飲酒運転し、免許が取り消しになった人が対象で、免許を再取得する際、「アルコール・インターロック」が取り付けられた車に限り運転が認められます。

韓国のメーカーを訪れ、仕組みを聞いてみると。

センテックコリア イ・ソングクさん
「測定器を使わずにエンジンをかけた場合、このようにかからないのですが、“PASS”と出ると運転手はアルコールを摂取していないので、再びエンジンをかけると車を動かせるようになります」

記者が実際にビールを飲んでからエンジンをかけようとすると…

記者
「英語で失敗と表示されています。エンジンをかけてみようとすると、かかりません」

「アルコール・インターロック」は、アメリカやカナダなどで違反者を対象とした義務化が進み、4年前には台湾でも取り入れられました。

今回導入された韓国での反応は…

ソウル市民
「未然に(飲酒運転を)防げるし、確かにより良いとは思う」
「すべての人が車に装着したり、強力な対策が必要ではないか」

日本でもこれまで導入に向けた動きはありましたが、実現には至っておらず、隣国も導入に踏み切ったことが議論を後押しするのか注目されます。

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