16日、ウクライナ・キーウの最高会議で演説するゼレンスキー大統領(ロイター=共同)

 ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、最高会議(議会)で、対ロシア戦争の「勝利計画」について演説し、計画に今すぐ着手すれば、2025年中に戦争終結が可能だと主張した。計画の成否は「支援国にかかっている。世界の支援がなければ、われわれは敗北する」と強調した。ただ既に計画を示された欧米からは冷淡な反応が出ており、不透明感が強まっている。計画内容の公表は初めて。

 ゼレンスキー氏によると、計画には、勝利に必要な兵器の数量や種類に関するリストが盛り込まれており、米国が消極的な長射程兵器によるロシア領の攻撃を容認するよう求めた。

 ウクライナを北大西洋条約機構(NATO)加盟交渉に招待することも要求している。ロシア西部クルスク州への越境攻撃の成果にも言及した。国産兵器の製造能力増強に向けて、軍需産業への投資の必要性を訴えた。

 計画の狙いは、欧米の支援を得てウクライナの軍事的優位を固めてロシアを交渉の席に着かせ、ウクライナ主導で和平を受け入れさせることだ。(共同)

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