中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区は14日、台湾を取り囲む形で陸海空軍やロケット軍などによる軍事演習を開始したと発表した。艦艇や軍用機を多方面から台湾に接近させ、海空戦備パトロールや港湾の封鎖などの訓練を行う。台湾の頼清徳総統が10日の演説で「一つの中国」原則を受け入れない立場を強調したことへの対抗措置とみられる。
台湾を包囲する形での大規模な演習は頼氏の総統就任式の直後だった5月23、24日以来となる。今回の演習の目的について、東部戦区は声明で「『台湾独立』勢力を震え上がらせる。国家主権を守り、国民統一を維持するために正当かつ必要な行動だ」と強調した。
また中国海警局も台湾を周回する形で複数の船舶が周辺海域をパトロールすると発表。軍と連動して、台湾が自国領土であるということを誇示する狙いがあるとみられる。
台湾国防部(国防省に相当)は14日、「理性的ではない挑発行為に強烈な譴責(けんせき)を表明する」と発表するとともに、規定に従って適切な兵力を派遣して対応しているとした。海巡署(海上保安庁に相当)は中国海警局の多数の船が台湾海峡の中間線を越えたほか、台湾北部や南西、東部の海域でとどまっているのを確認したと発表した。
国防部は13日には、中国の空母「遼寧」などの艦隊が台湾南方のバシー海峡に入ったことを確認し、西太平洋で活動する可能性があると明らかにしていた。【北京・岡崎英遠、台北・林哲平】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。