ウクライナ南東部マリウポリを訪れたスティーブン・セガール氏=露国営メディアの映像から

 米映画俳優のスティーブン・セガール氏(72)が自ら出演、監督したドキュメンタリー映像が10日、露国営メディアで公開された。ロシアがウクライナで続ける「特別軍事作戦」の激戦地となり、ロシア軍が占拠した南東部マリウポリをセガール氏が訪ねる内容で、セガール氏は作品の中で、プーチン露大統領に「もし必要であれば大統領の側で死ぬつもりだ」と手紙で参戦する意思を伝えたことを明かした。セガール氏は以前からプーチン氏を支持する発言をしている。

 約30分の作品のタイトルは「正義の名の下に」。セガール氏が、ウクライナ側の抵抗拠点となったアゾフスターリ製鉄所などを歩き、ウクライナ軍から「拷問を受けた」と訴える地元住民らの話を紹介。特別軍事作戦が始まった翌日、プーチン氏に対し「大統領を支持し、大統領の側で戦う」との内容の手紙をしたためたエピソードを語った。

 また、セガール氏は特別軍事作戦を巡り「西側諸国が長い時間をかけて計画し、ウクライナに入り込み、『ナチス』を訓練した」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)の拡大が現状と直結していると批判。ロシア側と同様の主張を展開した。その上で、「私は自らをロシア人だと思っている。これは善と悪との戦いだ。神は我々の側にあると信じている」と訴えた。

 セガール氏は主演した代表作「沈黙の戦艦」などで知られる。2016年にはロシア国籍を取得し、プーチン大統領から直接パスポートの交付を受けた。18年には露外務省から米露関係の交流を担う「特別代表」に任命された。ロシア通信によると、セガール氏の父方の祖父がロシア出身という。【モスクワ山衛守剛】

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