インドのモディ政権が夫婦間のレイプに対する刑事罰について「過度に厳しく、理不尽」とする公式見解を初めて示し、物議を醸している。最高裁に対し、インド内務省が3日、供述書を提出した。
インドには、家庭内暴力を防止する法律が2005年に施行され、性暴力も含まれるが、加害者に対する刑事罰の規定はない。刑法は夫の妻に対する「残虐行為」を禁じているが、定義があいまいで、高裁での判断が割れている。
英BBCによると、インド内務省は「男性が妻に対して性行為を強要する基本的権利はない」としながらも、既婚女性を性的暴力から守る法律はすでに十分にあるとの認識を示した。
最高裁は、夫婦間のレイプは訴追できないとする英国植民地時代の法律の改正を求める請願を受け、例外規定を見直すかどうか審理している。
AFPによると、19~21年に実施されたインドの全国家族健康調査で、18~49歳の既婚女性の6%が配偶者から性的暴力を受けたと答えている。こうした事態にアムネスティ・インターナショナルなどの人権団体が懸念を示し、法改正を求めている。
一方、宗教団体などは、夫婦間の性行為は「暗黙の了解」などと主張し、法改正に反対している。【堀山明子】
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