中国の高速鉄道で今、利用されずに放置された駅、いわゆる“幽霊駅”が続々と誕生しています。その数は少なくとも26か所に上り、問題となっています。

広大な国土を隅々までカバーする、中国の高速鉄道。その総延長は4万5000キロに達し、世界一を誇ります。

しかし今、中国の鉄道をめぐってある問題が起きています。

記者(今年7月)
「高速鉄道のホームですね。今は全く使われなくなっています」

南部・雲南省昆明市にある駅。数年前に工事が終わったにもかかわらず、開業する気配がありません。

市民
「(Q.なぜ駅は使われていない?)わかりません。お金が無いんだと思うよ」
「かなり前に完成したけど、なぜか列車は駅に停まらない。こんなさびれた場所に利用者なんていないよ」

周辺に作られた物流センターも使われることのないまま、放置されています。

東北部・遼寧省瀋陽市では…。

記者
「非常に立派な建物が見えてきました。瀋陽西駅です。現在は使われなくなっているということです」

6年前、2018年に開業しましたが、利用者が少なかったことから、たった半年で閉鎖されたといいます。中国メディアによりますと、このような“幽霊駅”は少なくとも26か所に上るといいます。

「幽霊駅」が続出している背景について、中国メディアは、地方政府が“駅を作れば周辺の開発も進む”という甘い考えをもっていたためと批判しています。

また、高速鉄道の運営を担う国有の鉄道会社が採算を度外視した建設計画を立てたためという指摘もあり、実際、鉄道会社は日本円にして120兆円を超える負債を抱えています。

人口が減少に転じ、以前のような高度経済成長が見込めなくなっている中国。今後、“幽霊駅”がさらに増える可能性も指摘されています。

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