【シンガポール=森浩】南太平洋のソロモン諸島で24日、議会(定数50)選挙の結果が確定した。親中派のソガバレ首相が率いる与党OUR党の獲得議席は15にとどまった。単独で過半数の議席を確保した政党はなく、与野党の連立協議が始まった。急速な中国接近を進めるソガバレ氏が続投するかが焦点で、米国や中国、オーストラリアが協議の行方を注視している。
選挙は17日に行われた。地元メディアによると、野党連合が13議席、別の野党の統一党が7議席を獲得した。このほか、少数政党や無所属候補が15人当選しており、各党が取り込みを進めている。
選挙戦でソガバレ氏は中国支援によるインフラ整備を政権の実績としてアピールしたが、中国接近に反発する一部有権者が野党支持に回ったようだ。議会選と同時に行われた地方議会選挙では親中派として知られた東部マライタ州首相、フィニ氏が落選した。
ソガバレ氏は2019年の前回選挙で4度目の首相に就任。同年、台湾と断交し中国と国交を樹立した。22年には中国軍の寄港を可能とする安全保障協定を結ぶなど、急速に中国との関係を深めた。
連立協議について米ブルームバーグ通信は「ソガバレ氏が敗れれば、中国の太平洋における戦略的野心を後退させるだろう」と指摘した。
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