ジョー・バイデン氏=2023年1月26日、西田進一郎撮影

 米国のバイデン大統領は2日、ワシントン近郊で記者団に対し、イスラエルがイランの核施設を攻撃する可能性があるとの報道について「支持しない」と明言した。

 一方、イスラエルが対抗措置を取ることは容認し「イスラエル側と何をしようとしているのかについて協議するつもりだ。(イラン側の攻撃と)釣り合った対応でなければいけない」と述べ、紛争の拡大を防ぎたい思いもにじませた。

 米紙ニューヨーク・タイムズは2日、米政府関係者の話として、米側はイスラエルに対してイランの攻撃による被害が少なかったことを強調し、抑制的な対応を求めるだろうと報道。ただ、米側の要請はほとんど影響を与えないだろうとの見方も報じた。

 バイデン氏はこれまでイスラエルのネタニヤフ首相に停戦や自制を再三求めてきたが、ネタニヤフ氏は受け入れておらず、影響力の低下が指摘されている。

 また、複数のイスラエル政府関係者はニューヨーク・タイムズに、地下にあり米国の支援なしでの実行は難しい核施設への攻撃について「計画していない」と説明。ただ報復は強力なものになるとし、石油関連施設や軍事施設を標的にする可能性があるという。

 対イラン戦略に関わったイスラエルの情報機関の元幹部は同紙に「イスラエルの多くの人々の間では、長期的な安全保障を達成するために、短期的に危険を冒すことへの許容度が上がっている」と指摘する。【ワシントン松井聡】

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