安全保障理事会で発言する国連のグテレス事務総長=2024年10月2日、国連の動画より・AP

 イスラエルのカッツ外相は2日、国連のグテレス事務総長を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に指定し、イスラエルへの入国を禁止するとX(ツイッター)で表明した。イスラエルへのミサイル攻撃などを巡り、「イランによる憎むべき攻撃を明確に非難できない者に、イスラエルの地を踏む資格はない」とした。

 国連のデュジャリック報道官は2日の記者会見で「イスラエル政府による国連職員への新たな攻撃の一つだ」と述べ、「ペルソナ・ノン・グラータ」は伝統的に国連職員にはあてはまらないとした。

 イスラエルの主張に反し、グテレス氏は2日の安全保障理事会の公開会合で、イランによる大規模なミサイル攻撃を「強く非難」した。また、昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの「テロ攻撃」への批判も続けてきた。

 米国務省のミラー報道官は、国連がパレスチナ自治区ガザ地区での人道支援で「非常に重要な仕事」を果たしていると強調した上で、グテレス氏の入国禁止措置は「まったく生産的ではない」と指摘。国際社会の理解を得られず、イスラエルにとってもマイナスになるとの見方を示した。【ニューヨーク八田浩輔】

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