中央合同庁舎第2号館に掲げられる警察庁・国家公安委員会の看板=東京都千代田区で2022年8月25日午後2時38分、北山夏帆撮影

 ロシアなどを拠点にするハッカー集団「LockBit(ロックビット)」のメンバーやサイバー攻撃に関与したとみられる計4人が、フランスや英国などの捜査当局に逮捕された。ロックビットと同名の身代金要求型コンピューターウイルス(ランサムウエア)の開発者とみられる人物も含まれる。欧州刑事警察機構(ユーロポール)や日本の警察庁が1日、公表した。

 ロックビットは2020年ごろから、ランサムウエアを使って世界各国の重要インフラを攻撃しているとされる。

 警察庁によると、仏当局などはロックビットの中核メンバーで開発者とみられる人物を逮捕した。また英当局は攻撃の実行役をサポートしたとされる2人を、スペイン当局はロックビットが使っていたレンタルサーバーの管理者とみられる人物をそれぞれ逮捕した。スペイン当局はサイバー攻撃に使われたとみられるサーバー9台も押収した。

 ユーロポールが主導する国際共同捜査は今年2月、ロックビットの主要メンバーとみられる2人を逮捕したと発表。5月にはロシア人リーダーが詐欺の共謀などの罪で米連邦地裁に起訴されたことも明らかにした。

 今回の4人の逮捕はこれらの捜査を継続したもので、日米英仏独など計12カ国が参加。押収したサーバーの解析などを各国で分担し、逮捕に至ったという。

 警察庁などによると、ロックビットの攻撃を巡っては、日本でも21年以降、企業や病院など100件を超える被害が確認されている。23年7月に名古屋港のコンテナ搬出入を管理するシステムに障害が起きた攻撃にもロックビットがかかわったとされる。【山崎征克】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。