「国慶節」を祝うため、北京市の天安門広場に設置された巨大な花かごのモニュメント=2024年9月30日午後3時39分、河津啓介撮影

 中国は1日の国慶節(建国記念日)から7日間の大型連休が始まる。中国政府の推計では、期間中に旅行や帰省などで延べ19億4000万人が移動。オンライン旅行大手・携程旅行網(シートリップ)によると、海外旅行先の人気トップは日本だった。

 携程旅行網は、今年の特徴として航空便数の増加による運賃の下落が旅行需要を後押ししていると分析。人気ランキングでトップ10入りした日本、タイ、韓国、マレーシアなどの航空運賃は軒並み2割超下がり、その中でも日本やイギリス、シンガポールの下落幅は3割を超えたという。

 携程旅行網は「東南アジアへの旅行コストは、一部の国内旅行先を下回る状況になっている」と指摘した。

 国内旅行でも航空運賃や宿泊価格が下落傾向にあり、中国経済の減速を背景にコストパフォーマンス(費用対効果)を重視する消費トレンドが改めて鮮明になっている。

 日本政府観光局によると、8月の中国からの訪日客は約74万人で国・地域別では最多。新型コロナウイルス流行前の2019年8月と比べて74%の規模に回復した。

 一方、在日中国大使館は連休前に日本を訪問する自国民に対し「情勢を踏まえ、警戒を強めるように」との注意喚起を出した。中国南部・広東省深圳市で深圳日本人学校の男子児童が刺されて死亡した事件などを意識した措置だとみられる。【北京・河津啓介】

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