中国駐新潟総領事館の崔為磊（さいいらい）総領事（51）は27日、新潟市で毎日新聞などの取材に応じた。中国南部・広東省深圳市で今月中旬、日本人学校の男児（10）が登校中に中国人の男に刺殺された事件について「亡くなった児童に深い哀悼を表し、家族に心から遺憾の意を表したい」と話した。一方で「日本側が冷静かつ理性的に、その件に対応してほしい」と呼びかけた。
崔氏は「私個人としても、このような不幸な事件が発生し、遺憾の意と悲しみを深く表したい」と説明。「中国は法治国家であり、いかなる暴力も許されず、法に基づいて容疑者を処罰する」とした上で「中国は日本を含む各国の人々の中国での観光、学習、ビジネス、生活を歓迎し、引き続き有効な措置をとり、中国にいる外国人の安全を保障する」と強調した。
また東京電力福島第1原発の処理水放出に関し、中国が日本産水産物輸入を再開させることで日中両政府が合意したことにも言及。「中国の独立したサンプリングなどのモニタリングが効果的に実質的にできること」などを求めた上で、安全基準を満たした日本産水産物の輸入を段階的に再開する考えを示し、「科学的な態度で日本側との意思疎通を継続する」と強調した。
総領事着任から1年が経過し、新潟や福島など管轄4県での交流を通じて「中日友好を一層推進し、管轄区域のみなさまの支持をいただきたい」とも語った。崔氏は27日夜の中国成立75周年祝賀レセプションを前に取材に応じた。【中津川甫】
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27日に取材に応じた崔為磊・中国駐新潟総領事の発言要旨は次の通り。
日本人児童が刺殺された事件について
この事件について駐日大使館、中国外交部の報道官もコメントした。私個人としても、このような不幸な事件が発生したことに遺憾の意と悲しみを深く表したい。亡くなった児童に深い哀悼を表し、家族に心から遺憾の意を表したい。そして私たちは日本側に冷静かつ理性的に、この件について対応していただきたい。
中国は法治国家であり、いかなる暴力も許されず、法に基づいて容疑者を処罰する。また強調したいのは、中国は日本を含む各国の人々の中国での観光、学習、ビジネス、生活を歓迎し、引き続き有効な措置を取って、中国にいる外国人の安全を保障する。
日本産水産物の輸入再開について
まず2点強調したい。第一に、利害関係者の一員として、中国は日本側が独断で核汚染水（処理水）の海洋放出をしたことに反対している。この立場には変化はない。
第二に、中日双方が達した共通認識の重点は、海洋放出の主要な段階を含む長期的な国際モニタリング体制を設立すること、中国を含むすべての利害関係国の実質的な参加を確保すること、中国の独立したサンプリングなどのモニタリングが効果的に実質的にできることだと思っている。
そのため共通認識に達しても、中国は日本からの水産物輸入を即時全面再開することを意味するわけではない。中国は国際原子力機関（IAEA）の枠組みの中で、長期的な国際モニタリングに効果的に参加し、参加国による独立したサンプリングなどのモニタリング活動が実施された後、科学的な証拠に基づいて、関連する措置の見直しに着手し、安全基準を満たした日本産水産物の輸入を段階的に再開する。
福島核汚染水をどのように適切に処理するかは、政治的問題であり、科学的問題でもある。中日両国間の共通認識は、国際社会は核汚染水を科学的、効果的、かつ安全に処理するための基礎を築くことで、IAEAからの指示も受けている。
これから中国は利害関係国をはじめ、国際社会とともに国際的な海洋生態系と人類の健康に対する高度の責任感を持ちながら、科学的な態度で日本側との意思疎通を継続し、共通認識の完全な履行を促し、約束を真摯（しんし）に守る。
総領事の着任から1年
総領事館は引き続き中国式現代化がもたらした新たなチャンスを共有し、各界の力と知恵を結集して両国首脳の重要な共通認識を執行に移し、中国との交流、協力を継続的に拡大して両国間の戦略的互恵関係を全面的に推し進めることで、両国民に福祉をもたらし、地域の繁栄と安定を共同で促進するよう取り組む所存だ。
われわれはこうした活動を通じて中日友好を一層推進したい。そして管轄区域の皆さまの支持をいただきたいと考えている。
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