パレスチナ自治区ガザでの戦闘が始まってまもなく1年になります。現地での援助活動に従事し、このほど帰国した国境なき医師団のスタッフが会見し、人道危機が続いているとして即時かつ持続的な停戦を訴えました。

国境なき医師団 萩原健さん
「1年という期間は決して短い期間ではありません。ガザの人たちは非常に疲弊しております。即時、持続的な停戦が必要であるということを求めたいと思います」

それぞれ7月、8月から1か月あまりガザに滞在していた国境なき医師団のスタッフ3人が26日、都内で会見を行いました。

移動の自由やライフラインが制限されたガザの住民の生活について、「生活用水の1滴でも、他者にバルブを開けるか閉じるか委ねられているのは集団的懲罰であり、人間としての尊厳の問題だ」と訴えました。

国境なき医師団 植田佳史さん
「衛生環境の悪化というのは本当に至る所で目につきまして、下水は道路を車で走っていたらあらゆるところで氾濫していますし、路上にもごみが山積みになって、大人から子どもまで立ち入って生活に必要なものを手探りで探っているような状況になっていました」

また、看護マネジャーとして活動したスタッフは病室が手術を待つ患者であふれ、傷にハエがたかり気温も高く、「むせ返るようなにおいだった」と振り返る一方で、こんなエピソードも明かしました。

国境なき医師団 本川才希子さん
「(患者が)全然動けないような状況から、ご飯が食べられるようになったとか、動けるようになったというのがすごく嬉しい瞬間」

ガザの現地スタッフの多くがテント生活を送り、家族や同僚を失いながらも懸命に働いていて、「ガザの市民を彼らが救っている」とたたえました。

来月7日で1年となるガザの戦闘。死者は4万1000人を超え、けがをした人は9万6000人に上っています。

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