長崎県対馬市の観音寺から盗まれ韓国に持ち込まれた仏像を巡り、所有権を主張する韓国中部・瑞山(ソサン)の浮石寺(プソクサ)が、日本への返還に反対しない意向を示していることがわかった。浮石寺の関係者が明らかにした。ただし、韓国で仏像の安寧を祈る法要を行った後に返還することが「条件」だという。
問題になっているのは、長崎県指定文化財の「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」で、2012年10月に韓国人窃盗団が盗み、韓国捜査当局が押収した。浮石寺は16年に「数百年前に日本の海賊集団『倭寇(わこう)』に略奪された」とし、韓国政府に引き渡しを求め、提訴。しかし、最高裁(大法院)は23年10月、観音寺の所有権を認めた。
浮石寺の関係者によると、日本側には法要と100日間、地域の人々に仏像を見せる機会を要請した。関係者は毎日新聞の取材に、「収蔵庫からそのまま日本に帰るのは当事者や地域住民に禍根を残す。儀式をして日本に行ってほしい。対話の上での合意を望んでいる」と主張。日本側の立場を示した文書は「来週ごろには届くと聞いている」と説明した。【ソウル日下部元美】
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