【ロンドン=黒瀬悦成】スナク英首相は23日、訪問先のポーランドで記者会見し、ウクライナを侵略したロシアの脅威増大や中国の覇権的な台頭などに対抗するため、国防費の支出を2030年までに国内総生産(GDP)比2・5%に引き上げると表明した。
今後6年間の追加支出額は計750億ポンド(約14兆4000億円)に上る見通し。30年の英国防予算は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国では米国に次ぐ870億ポンドになるとみられる。
スナク氏は、世界の安全保障環境は「冷戦終結後で最も危険な状況にある」と指摘し、他の欧州諸国に対してもNATOが目標として定めるGDP比2%以上を達成するよう求めた。
NATOによると、23年の英国の国防費支出は2・28%(推計値)。
加盟国の間では国防費支出のさらなる増大に向けて新たな目標値を設定すべきだとの声も強まっており、英国に追随する国が今後増えていく可能性もある。
スナク氏は23日、ポーランドでトゥスク首相と会談し、英空軍のタイフーン戦闘機を25年にポーランドに配備し、NATOの枠組みでポーランドの領空警備に当たることで合意した。
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