米CNNは19日、南部ノースカロライナ州知事選に出馬しているマーク・ロビンソン副知事(共和党)が、過去にポルノサイトの掲示板に「私は黒人のナチだ」「奴隷制は悪くない」と投稿していたと報じた。ノースカロライナ州は、知事選と同時施行の大統領選で接戦7州の一つとなっており、今回のスキャンダルは返り咲きを目指すトランプ前大統領にとっては痛手だ。ロビンソン氏は投稿を否定しているが、共和党内から撤退圧力が強まる可能性がある。
CNNによると、ポルノサイトで使われていたユーザー名は、ロビンソン氏が他のソーシャルメディアで使っていたものと同じだった。プロフィル欄には「マーク・ロビンソン」と氏名を記し、過去にロビンソン氏が使用していた私用メールの記載もあった。年齢や居住地、婚姻期間、軍歴、母親の勤務先などの情報も合致していた。
このユーザーは2008~12年、掲示板に「奴隷を必要としている人もいる。奴隷制を復活してほしいし、私も何人か買うだろう」「(首都)ワシントンにいるやつらより、(ナチス・ドイツの指導者)ヒトラーの方が良い」などと投稿。ユダヤ人やイスラム教徒への差別発言もしていた。「14歳の時にジムのシャワールームでのぞき見したのが性的な目覚めだった」とも書いていた。
ロビンソン氏は19日のCNNのインタビューで「これは自分の言葉ではない。私の特徴を表していない」と書き込みを否定。「タブロイドのゴミくずよりも、ノースカロライナの人々が直面している課題が重要だ」として選挙戦を続ける考えを示した。
ロビンソン氏は過去にもヒトラーを擁護する発言が問題視されたことがあり、人工妊娠中絶に反対する保守強硬派として知られる。共和党内には過激な言動を問題視する声もあったが、3月の党予備選ではトランプ氏の支持を受けて勝利していた。
ただ、世論調査では民主党候補に後れを取っており、同時に大統領選に臨む「トランプ氏の足を引っ張っている」との指摘が出ていた。今回のスキャンダルで、共和党内から撤退を求める声が出る可能性もある。【ワシントン秋山信一】
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