11月の米大統領選で、国際宇宙ステーション(ISS)に足止めされている2人の宇宙飛行士が宇宙から投票することになった。地球上空およそ400キロを周回するISSから不在者投票する2人は「市民として果たす重要な義務だ」と強調している。
米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士、サニタ・ウィリアムズさんとバリー・ウィルモアさんは6月に米航空機大手ボーイングの新型宇宙船スターライナーでISSに到着した。当初は1週間程度で帰還する予定だったが、ヘリウム漏れなどの不具合が発生して滞在期間を延長。復路の安全が確保できないとして機体は9月に無人で地上に帰還し、2人は来年2月までISSにとどまる予定になっている。
2人は9月13日にISSから記者会見し、大統領選で不在者投票する意向を明らかにした。ウィリアムズさんは「宇宙から投票できることを楽しみにしている」と語った。NASAの宇宙飛行士の訓練施設がある南部テキサス州は1997年に長期宇宙滞在者のための法整備を実施し、これまで複数の宇宙飛行士が宇宙から投票している。
米メディアによると、地元の選挙管理委員会はNASAと協力して電子投票用紙のファイルをISSに送る。宇宙飛行士が候補者を選択すると暗号化して返送され、印刷してほかの投票用紙と一緒に処理されるという。【ニューヨーク八田浩輔】
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