レバノン各地でイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが所有するポケットベル(ポケベル)や無線機(トランシーバー)が2日連続で爆発したことを受け、ヒズボラの指導者ナスララ師は19日のテレビ演説で、一連の爆発はイスラエルによる「宣戦布告だ」と語り、改めて報復を宣言した。また、ヒズボラの幹部やインフラは大きな被害を受けていないと説明し、「戦争を止める唯一の道は、イスラエルが(パレスチナ自治区)ガザ地区の戦闘をやめることだ」と強調した。
ナスララ師が一連の爆発後に演説したのは初めて。
ナスララ師は17日にポケベル4000個、18日にはトランシーバー1000機が爆発したと説明し、「イスラエルは一瞬で5000人を殺そうとした」と非難。ヒズボラ幹部は爆発したポケベルよりも古い機種を使用していたため被害はなかったが、病院関係者や子供など民間人の多くが負傷したと訴えた。そのうえで「イスラエルはあらゆるレッドライン(超えてはいけない一線)を超えた。(一連の爆発は)テロ行為であり、虐殺以外の何物でもない」と強調した。
ヒズボラは、昨年10月にガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まって以来、ハマスに連帯する形でイスラエルと交戦を続けている。今回の爆発を受け、報復攻撃を検討しているとみられ、紛争拡大の懸念が強まっている。【エルサレム金子淳】
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