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 アメリカのトランプ前大統領に再び銃口が向けられました。なぜ、短期間に二度も狙われたのでしょうか。見えてきたのは、深刻なアメリカの分断です。

■トランプ氏再び標的に 暗殺未遂か

 銃を構えた警察当局の視線の先にいるのは、容疑者の男です。男に駆け寄り両腕を拘束すると、そのまま連行していきます。

 トランプ氏の暗殺を試みたとみられる男の拘束時の映像が公開されました。

地元保安官
「私たちが容疑者を車から降ろした時、彼は武装していなかった。車の捜索は行わなかった。FBIが現場に着くまで、私たちは待っていた」

 逮捕されたのは、ライアン・ラウス容疑者(58)。過去に何度か逮捕歴があると報じられています。

 司法省は、製造番号を消した自動小銃の所持など2件の罪でラウス容疑者を訴追しました。

 現場には、フェンスにつられた2つのカバンとライフル銃が残されていました。

地元保安官
「我々はゴルフ場のフェンスからライフルの銃身が突き出ているのを見つけて、直ちに容疑者に対応した」

 現場となったのは、トランプ氏自身が運営するフロリダ州ウェストパームビーチのゴルフ場。トランプ氏は当時、5番ホールでプレーを終えて、6番ホールへ移動中だったといいます。

 容疑者がライフル銃を構えていたのは、そこから400メートルほど離れた場所でした。

 フェンスの外から銃を構えていた男にシークレットサービスが気付き発砲。トランプ氏は無事でした。

 トランプ氏がプレーしていた5番ホールの紹介映像では、周囲には木々が生い茂り、セキュリティーは確保されているように見えます。

 過去には、この場所で安倍晋三元総理大臣がプレーしたこともありました。

 しかし、現場となったゴルフ場は道路に面していて、周りを木で囲まれているのですが、一部中が見えるような場所もあり、セキュリティー上の問題が指摘されていました。

 シークレットサービスの発砲後、容疑者は車で逃走しましたが、少し離れた高速道路で確保されました。

 事件後、トランプ氏はSNSで自身の身を守ったシークレットサービスを称賛しました。

トランプ氏のSNSから
「シークレットサービスや関係する機関などが、私を第45代大統領として、また大統領選挙の共和党候補として安全を確保してくれた。素晴らしい仕事に対して感謝したい。実に見事なものだった」

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■なぜトランプ氏の予定把握? 疑問の声も

■なぜトランプ氏の予定把握? 疑問の声も

 しかし、アメリカメディアからは疑問の声が上がっています。

 そもそも、トランプ氏がこの場所でゴルフをしていること自体が機密事項だったからです。

CNNキャスター
「容疑者はどのようにして、トランプ氏がどこにいて何をしているかということを知ったのでしょうか?ゴルフ場に行くということは公表されていませんでしたが、容疑者はどうやって情報を入手したのでしょうか?」

 CNNによりますと、トランプ氏がゴルフをすることを決めたのは前日のこと。なぜ、容疑者がトランプ氏に銃口を向けることができたのか、詳しい背景は分かっていません。

 ただ、ラウス容疑者がトランプ氏に強い敵意を持っていたことは確かなようです。

■容疑者は12時間待ち伏せ“強い敵意”

 FBIは、ラウス容疑者が茂みの中でおよそ12時間にわたって待ち伏せていた可能性があることを明らかにしました。

 強い執念を持ってトランプ氏を狙ったとみて、動機の解明を本格化させています。

 さらに、ラウス容疑者は過去にウクライナの首都キーウを訪問していました。

ラウス容疑者
「世界中の誰もが性別や年齢に関係なく、ウクライナ人と軍を支援するために、ここに来るべきだと思います」

 ウクライナへの支援に消極的な姿勢を示すトランプ氏に不満を抱いていたとみられます。

 さらに去年、自費出版した本には次のような記述がありました。

ラウス容疑者著「ウクライナの勝てない戦争」
「“頭の悪い”大統領を選んだことについて、我々も責任の一端を負わなければならない。トランプ氏も私も暗殺されても仕方がない」

 事件後、バイデン大統領は声明を発表しました。

バイデン大統領SNSから
「これまで何度も述べてきたように、我が国において政治的暴力やいかなる暴力も容認されるべきではない」

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■トランプ氏「移民がペット捕食」波紋拡大

■トランプ氏「移民がペット捕食」波紋拡大

 しかし、そうした暴力につながりかねないアメリカの「分断」をあおってきたのは、皮肉にもトランプ氏本人だという側面があります。

 今回の事件の直前には、自身のSNSに「テイラー・スウィフトなんか大嫌いだ!」と投稿。アメリカの人気歌手であるテイラーさんは、大統領選で民主党候補のハリス氏支持を表明しています。

 さらに、ハリス氏との討論会ではネット上のデマに端を発したとされるこんな発言がありました。

トランプ氏
「オハイオ州のスプリングフィールドでは、移民たちが犬や猫を食っているんだ。移民たちが犬や猫を食っているんだ。住民のペットが食われているんだ。これが今の国のありさまで、実に情けない」

 このテレビ討論会の視聴者は6000万人以上。放送後、市庁舎や学校などには爆破予告が届き、閉鎖に追い込まれる事態にまで発展しています。

 一報、発言した当人はどこ吹く風です。

トランプ氏
「爆破予告については知らないが、町が不法移民に占拠されていることは知っている。ひどい出来事だ。私が大統領なら起こらない」

 共和党の副大統領候補であるバンス上院議員も、「有権者からの情報だ」と述べ、トランプ氏の発言を正当化しています。

バンス上院議員
「根拠がないと言いますが、私のでっち上げではなく、有識者が事実だと言っているんです」

 大統領選まで残すところ1カ月半あまり。暴力に対する警戒感は、ますます高まっています。

(「グッド!モーニング」2024年9月17日放送分より)

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