米国の人気歌手テイラー・スウィフトさん=2023年10月、AP

 11月の米大統領選で人気歌手のテイラー・スウィフトさんが民主党のハリス副大統領への支持を表明したことについて、ABCニュースが15日に公表した世論調査で「ハリス氏への投票意欲が増した」と答えたのは6%にとどまった。共和党のトランプ前大統領の支持者を中心に13%は「ハリス氏への投票意欲が減った」と回答。トランプ氏は15日に自身のソーシャルメディアで「テイラー・スウィフトは嫌いだ」と投稿し、敵意をむき出しにした。

 調査は候補者討論会直後の今月11~13日に実施された。スウィフトさんの支持表明について、81%は「違いは生じなかった」と答えており、メディアでの注目度の割には影響力は限定的だったとみられる。

 討論会については58%が「ハリス氏が勝った」、36%が「トランプ氏が勝った」と評価。ただ支持率はハリス氏51%、トランプ氏46%で、討論会前の8月下旬からほとんど変動がなかった。

 スウィフトさんは10日の候補者討論会の直後、インスタグラムでハリス氏への支持を表明。連邦政府が運営する有権者登録の情報サイトのリンクも紹介した。

 米国で投票するには各州でまず有権者登録を済ませる必要がある。ハリス陣営にはスウィフトさんの呼びかけで支持者が登録し、投票に行く可能性が高まるとの期待がある。米メディアによると、スウィフトさんの投稿を介して24時間以内に登録情報サイトへのアクセスが約40万件あり、通常の1日約3万件から大幅に増加した。

 ただ、連邦政府のサイトは登録手続きなどの情報を紹介しているだけで、実際に登録するには各州で手続きをする必要がある。スウィフトさんの投稿後に実際に有権者登録がどこまで増えたかは不明だ。【ワシントン秋山信一】

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