南シナ海の「新たな火種」とされるサビナ礁について協議したフィリピンのラザロ外務次官(左)と中国の陳暁東外務次官=2024年9月11日、フィリピン外務省提供

 南シナ海の領有権を巡り対立が高まるフィリピンと中国は11日、北京で2国間協議を実施した。比外務省によると、「新たな火種」とされる南沙諸島サビナ礁周辺の状況について対話継続で一致した。ただ、双方の主張には依然大きな隔たりがある。

 比側からラザロ外務次官、中国から陳暁東外務次官が参加した。

 比側の声明によると、ラザロ氏はサビナ礁がフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内に位置することを強調した上で、「ホットラインなどを通じた話し合いや、沿岸警備隊同士の協力を継続することで合意した」と説明した。

 一方、中国外務省は声明で、「率直な」意見交換だったとした一方、比側が同礁に停泊させている巡視船の即時撤退を求め、「中国の主権を堅持する」と主張した。

 フィリピンは4月、「中国側による埋め立ての兆候が確認された」としてサビナ礁に巡視船を配備。周辺海域ではそれ以降、中国による比側への妨害行為が頻発している。【バンコク石山絵歩】

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