米ミシガン州のUSスチール製鉄所=2024年4月4日、大久保渉撮影

 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収を巡り、日米や多国間の貿易促進などを目的とする企業団体「グローバル・ビジネス・アライアンス」(GBA、本部=米ワシントン)と経団連などは、イエレン米財務長官に対し、「外国投資審査に対する政治的圧力について懸念を表明する」との書簡を送付した。

 書簡では、イエレン氏が議長を務める対米外国投資委員会(CFIUS)が「政治的アジェンダを推進するために利用され、米国経済と労働者を危険にさらしている」と指摘。CFIUSに対し「経済の開放性を担保するとともに米国の国家安全保障を守ることに専念すべきだ」と要請した。

 さらに「政治的圧力が審査の結果に不当に影響を与えているのではないか」と懸念を示し、「政治的干渉が広がれば、米国の投資環境は大きく損なわれる」と警告。「CFIUSは政治的な姿勢を達成するための道具になってはならない。国家安全保障を装った産業政策に変貌してはならない」と重ねて訴えた。

 GBAには日本企業21社を含む約200社が加盟している。【道永竜命】

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