ウクライナ東部ハリコフ州で、破壊された建物近くを自転車を押して歩く男性=1月(ゲッティ=共同)

ロシアの侵略を受けるウクライナ東部ハリコフ州のシネグボフ知事は22日、州都ハリコフのテレビ塔がロシア軍の長距離攻撃で損傷し、テレビ放送が中断したと発表した。交流サイト(SNS)上には、テレビ塔の上半分が折れて地上に落下する様子を撮影した動画が投稿された。ウクライナメディアによると、ハリコフのテレビ塔への攻撃はロシアの侵略開始直後の2022年3月以来、2回目。

ハリコフ州ではここ1~2カ月間、ミサイルやドローン(無人機)による露軍の空爆が激化。多数の電力インフラが損傷し、電力危機が深刻化している。露軍の狙いは、ウクライナの国力や国民の戦意を低下させるとともに、防空ミサイルを枯渇させることだとみられている。将来的な同州での攻勢に向けた下準備の可能性も指摘されている。

ウクライナのゼレンスキー大統領はテレビ塔への攻撃について「通信と情報の遮断を狙ったものだ」と非難。放送再開に向けた復旧作業を行っているとした。その上で、ウクライナは露軍の攻撃を防ぐために防空能力や敵基地への攻撃能力を高める必要があると指摘し、国際社会に支援の継続を求めた。

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