米フィリピンの定期合同演習「バリカタン」がで始まった=22日、フィリピン(ロイター)

【シンガポール=森浩】米フィリピンの定期合同演習「バリカタン」が22日、フィリピンで始まった。演習は5月10日まで行われ、過去最大級の約1万7千人を動員。バリカタンでは初となるフィリピン領海の外での演習も行う。南シナ海での中国の威圧を念頭に、米比両軍の相互運用性を高める狙いがある。

今回は米比のほか、フランスとオーストラリアが初めて正式に参加し、日本など十数カ国もオブザーバーとして加わる。演習は台湾に近い比北部のほか、領有権をめぐって中比が対立するスプラトリー(中国名・南沙)諸島に近い西部パラワン島付近で行われる。島嶼(とうしょ)の奪還を想定した訓練も行われる予定。

比軍報道官は「演習は特定の国を意識したものではない」としつつ、「(米比の)同盟関係を強化し、地域の安全保障を巡る協力を深める」と意義を強調した。

米比は11日、日本を含めた初の3カ国首脳会談を開き、安保面の協力拡大で合意した。マルコス比大統領は15日、バリカタンを巡って「日本の参加は良い動きとなる」と述べ、来年以降の正式参加に期待感を示した。

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