丹東市に本社を置く水産加工業者の工場内にある管理職の机。中国と北朝鮮の小さな国旗のほか、壁には北朝鮮の歴代最高指導者の写真が飾られている=2023年©The Outlaw Ocean Project

 北朝鮮が外貨稼ぎのために派遣した労働者を受け入れる中国の水産加工会社の製品が、欧米の市場でも流通していることが、非営利の国際調査報道グループ「アウトロー・オーシャン・プロジェクト」(OOP)の報告で明らかになった。また、中国の水産加工業で働く北朝鮮労働者の多くは女性で、OOPによる書面インタビューに対し複数の労働者は性暴力を含む人権侵害の実態を明かした。

 北朝鮮労働者の受け入れは国連の安全保障理事会による決議で禁止されている。米国に拠点を置くOOPは独自に入手した公的文書や企業の資料のほか、衛星画像やソーシャルメディアなどの公開情報を北朝鮮問題の専門家らと検証した。さらに現地の中国人調査者の協力を得て実際に複数の工場を訪ねて生産ラインなどを確認し、20人の北朝鮮労働者らに書面を通じてインタビューを実施。その内容を2月下旬に米誌ニューヨーカーで発表した。【ニューヨーク八田浩輔】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。